ISBN:4061850059
書籍形態:文庫
著者:村上 春樹
出版社:講談社
出版年月:1991/12
価格:620円
あらすじ:
あらすじがかけないはなし。(放棄)

主人公の「僕」は確かに現実を生きているのに、その世界にはまるで現実味がなく。現実の描写なのにその世界は全く幻想的。「僕」の友達や知り合いが実際に現れて「僕」に関わっては消えていくのだが、本当に存在したのだろうか?とかそんな簡単なことでさえも朧げで曖昧である。存在を観測した瞬間にそれは過去になってしまい、常に観測しているのは過去のニオイでありユラギであって本体ではないような、「僕」を通して見る世界の全てのものが危ういかんじ。

ただ。その中で「ユキ」だけが本物だと思えた。「ユキ」がいるから「僕」も本物だ、大丈夫。ちゃんと存在すると確認できていたような気がする。

それから、なぜだろう。強烈な死の匂いがしたのが印象的だった。

「僕」と「ユキ」と「いるかホテル」

この話に出てくる「ユキ」という女の子と同じ歳に、初めて村上春樹の小説に出会いました。ちょうど13歳で、ダンスダンスダンスを読んだ私はこの小説が大好きになりました。不思議な感覚と恐怖と分からないこと、共感できることいろいろな感情を持って読むことができました。初めて読んだときの驚きは覚えているけれど、具体的にどこでどういう感想を持ったとかは覚えていないのがちょっと残念。ただ「僕」と「ユキ」と「いるかホテル」と「キキ」と「羊男」などなど、登場人物が魅力的だと思いました。その中でもやっぱり同じ歳だった「ユキ」 のことは、少しだけ意識していたように思います。

私は学校がすきではありませんでした。行きたくない時に、どうして学校に行かなくてはならいのかが分からなかったからです。我慢できないときもありました。勉強だけなら自分でも(学校に行かずに)出来ると思っていました。休みたい時に休みはじめたのも、ちょうどこの小説に出会った頃だったかもしれません。(ちゃんと覚えてないけれど。)いささか偏った考えだというのは、今となっては理解できますが、あの頃は真剣に考えました。

ダンスダンスダンスを読むと、13歳の頃の私を少し思い出すことができるのです。作品の雰囲気と匂いがあの頃の私に結びついていて、周りの空気が13年前の空気に変わっていきます。セックスや大人の生活の描写、ユキと僕の関係に淡々と語られる様々なこと全てが、私に影響を与えてくれました。それは今でも影響を与え続けているものだと、私は思っています。小さな頃に出会ったものは、長く自分に関わってくるものだと、そう思いました。

---------------------------------------------
○ダンス・ダンス・ダンス
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061850059/nekotabihutat-22

コメント