禁じられた楽園

2005年1月31日 和書
ISBN:4198618461
書籍形体:単行本
著者:恩田 陸
出版社:徳間書店
出版年月:2004/04/21
価格:1890円

禁じられた楽園 34%。既に幾度もギクッとしている。すべてが不吉な場所へ向かいつつあるが、それが何処なのか、まだはっきりと分からない。

禁じられた楽園 67%。文章を読んで理解するということは頭の中で映像化するということなのだうか?言葉を理解するということは?言葉は言葉のままで理解していることがあるのかな?良く分からないけど禁じられた楽園を読んでいると文章が脳内で鮮やかな絵になるので、フラッシュバックみたいに強烈なシーンが頭に焼き付いて凄く怖い。文字を読んでいるのに自分で映像化してるから、「あれ?本当に絵を見たんだっけ?」と一瞬戸惑う。それくらい鮮やかな映像。小説なのに映画を観ているみたいに感じることはよくあるけど、これは映画寄りの小説ではなく、小説寄りの小説で、読みながら自分で映画化しているみたいな感じ。うーん、我ながら分かりにくいです。スミマセン。

禁じられた楽園読了。少し前に神はランダムに災いを宛てがっていると思ったことがあった。人々の人格や徳とは全く関係なしに神は神の仕事をする。人間を含めた生き物が少しも死ぬことがなかったら、地球は上手く循環できず、栄えることがなかったのだろうか?いずれにしろ、それは災いではなくて、感情が全く入っていないランダムな選択なんだと思った。「災いをもたらす」という表現は人間のものだと、そう思った。自らに、または同じ人類に無情な出来事、不幸な出来事が起こった時に、悲しくやるせない気持ちと共に無力さを感じることがある。そして災いが訪れたと思う。「ランダムな選択」と「災い」。同じ出来事に感情が入ることで違うものへと変化する。禁じられた楽園を読んで、そう考えたことを思い出した。長い前フリでしたね、スミマセン。大木の上に産み落とされた神の卵を神格化したのは人間で、そこに感情を注いだのもまた人間であったと。神の卵そのものに邪悪も善良もなかったのだ。人間が負のエネルギーを注いで汚したのならば、同じ人間が浄化することも可能なのだろう。しかしそれはどちらであっても神の卵の意識ではない‥と思った。さっぱりとした読了感で、「ふむ」と溜め息とともに一声漏らし、爽やかに本を閉じることができた。途中はかなり恐かったけど。

○禁じられた楽園
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