三匹の羊と帽子をかぶった紳士

今日は保育園の子供と木のおもちゃで物語を作りながら遊びました。子供たちは三匹の子豚を私は自分で物語を作って聞かせてあげました。あげましたとか言うとまるでものすごく良い話をしてあげたかのようですが、どちらかというと聞いて頂きましたと表現した方が正確です。えっと‥子供たちが三匹の子豚だったので、私は三匹の羊という話にしました。木の羊人形がちょうど3匹あったからです。それと同じく木でできた帽子をかぶった大人の男人形を使いました。

あるひ三匹の羊がいました。三匹の羊の毛はたいそうふさふさしていて、彼等の羊毛は近所でも評判のやわらかさでした。それというのも毎日お風呂に入ってお母さんにふさふさの毛を綺麗に洗ってもらっていましたから。そんなある日のこと、お母さんがいいました。「おまえたちも大きくなったから、自分達で洗いなさい。三匹で力をあわせてすてきなお風呂をつくりなさい。」

そこで三匹の羊はお風呂を作る旅にでました。お風呂はレンガで作ろう、と三匹のうちの一匹が言いました。残りの二匹も手放しで賛成しました。そうだそうだ、レンガがいいぞ。

三匹は少しずつ少しずつレンガを積み上げてお風呂を作りました。お風呂を作っていると帽子をかぶった紳士がやってきました。紳士はがたがた震えていましたが、それも無理はありません。今は寒い寒い冬なのです。三匹の羊には近所でも評判のふさふさした羊毛があるから寒くありませんでしたが、帽子をかぶった紳士はなぜか半そでのTシャツを着ていたのです。あれじゃあ寒いはずだよねと羊たちが言うと、紳士はがたがた震えながらいいました。羊毛くれ‥羊毛をくれぇ‥、セーターになるんだ！ウール100％のセーターになれーー。そうして積み上げられたレンガの上に登ってきました。羊たちは羊毛って何だろうかといぶかしげに思いましたが、なんとか逃げなければならないと三匹で相談しました。

ちょうどお風呂の屋根の部分を作っている途中だったので、紳士と羊たちの間にはレンガでまだうめられていない穴が開いていました。そしてその下には完成したら三匹でゆっくりあたたまろうと思い、お風呂にお湯を沸かしていました。三匹はこのまままっすぐ紳士を呼べば穴に落ちるに違いない。なにしろあの紳士は寒さのあまり頭がおかしくなっている。そうして羊たちは紳士をそのままおびき寄せました。

セーターになるんだぁぁ！近付いてきた紳士は、そのまま穴に落ちてしまいました。そしてその下のお風呂にどぼんと入ってしまったのです。しかしお風呂はちょうど良い具合に沸いていたので、紳士は気持ち良く温まり正気に戻りました。

そして三匹の羊に悪いことをしたねと紳士らしく謝りました。

めでたしめでたし