ISBN:4163659404
書籍形体:単行本
著者:土屋 賢二
出版社:文藝春秋
出版年月:2004/05/27
価格:¥1365

メンツというものは何度もつぶれると、人間性を変えるものである。(1)批判を避けるために理解不可能な言葉を使うようになるタイプもあれば、(2)冗談でごまかす態度を身につけるタイプもいる。また、(3)批判されるたびに怒り、批判を許さない雰囲気を作るタイプもいる(わたしの妻がそうだ)。
『尊敬されない方法(1)』本書62ページ5行目より引用

週刊文春連載コラム「棚から哲学」がまとめられたのが本書です。土屋賢二節炸裂ですね。癖のある土屋賢二節が好きになれない人はこの著者のどの作品も受け付けないと思います。でも私は土屋賢二節が大好きなので本書もとても楽しめました。読書は読み手の状態によって、受け取るメッセージが異なりますよね。そのときの状態を反映する鏡のような作用があるかなと思います。意識的無意識的に読書時に汲み取りたい何かを文章の中から拾い上げていきます。何を受け取ったのかによって、自分の心は何に奪われているのかが分かるのです。良いメッセージも悪いメッセージも鬱々とした気分になる小説も自分の精神状態によって、いくらでも変化しますよね。(そんな感じの日記を以前書いたのですが[http://oneijinusi.exblog.jp/168829 2004-04-17「ねこたびふたたび」)

土屋賢二の本を読むと必ず最低一つは、目にとまる‥というかそれは当たり前ですね。心に留まる言葉が出てくるのです。その言葉自体が万人にとって含蓄のある言葉なのかもしれませんが、もしかしたら今この時の自分以外は選ばなかったであろう言葉なのかも。半年後の私は選ばなかったかもしれない。読む方が生きている故の現象だけれど、まるで「読書」自体が変化を遂げる生き物みたいねーって思ったのでした。
○簡単に断れない。
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163659404/nekotabihutat-22/)

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