ISBN:4101349118
書籍形体:文庫
著者:重松 清
出版社:新潮社
出版年月:1999/03
価格:580円
初めは登場人物の言動に苛立ちを感じた。主題の「自殺」について考えれば考えるほど、小説の中で描かれる社会が嘘臭く思えて気持ち悪かった。偶像を造り上げて皆自分の思想をその偶像に託して生きている。周囲が過熱し、偶像の思想とかけ離れて次第に温度差が激しくなっても、それぞれが自分の想いを重ねて神格化していく。何を求めているのだろう。神格化するのは勝手だが、偶像の思想から生まれた思想を再び偶像に押し付けてはいけない。「こう述べるからにはこうしなくてはいけない」とは人に押し付けられない。ましてや生きるべきだとか死ぬべきだなんて。でも読んでいくうちに言動に対する違和感や苛立は消え、真剣に皆の思考をなぞってみたり、自分の考えを言葉にしてみたりと、夢中になっていた。 ある学校で少女が宙を舞うように飛び下り自殺をし、その時から不定期に舞姫通信が配られはじめた。舞姫通信を誰が書いているのか、誰がその意志を継いでいるのかは分からない。伝説化された舞姫のことを崇めたようなその通信は、決して死にたい生徒が書いていたわけではなかったと思う。
という箇所が印象に残った。そうだなぁ、約束ごとなんだよなぁって。上手く言えないし、別に上手く言う必要もないんだけど、死なないことだってそういう目に見えない事に約束されたものなのかなと思った。生物には、生まれたからには生を全うして、子孫を残していくことがインプットされてる。生まれたからには生きるって、ただの約束事なのかなぁと。それ以上の理由は人間だけが作り出したもので、本当はそれ以上の意味などなくてもいいのかもしれない。それ以上の理由は、プラスアルファであって、無駄なものなのかもしれない。ただし人間は‥というか私は、やっぱりどうしても無駄なものが好きなんだ。無駄なものが大事。自分と無駄なものの為に生きている‥のかな。そして自分の為に生きている他人と一緒に生きていく、って読み終わってから思ったけれど、ちゃんと整理されていないからいつにもまして文章が分かりにくい。 誰かの「死」や自分の中の「死の願望」を乗り越えて、でも常に死と共にある「生」に到達していく物語。テーマは自殺(というより「いつでも死ねる」かな)だけど小説からは強い「生」を感じた。
○舞姫通信
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101349118/nekotabihutat-22/)
書籍形体:文庫
著者:重松 清
出版社:新潮社
出版年月:1999/03
価格:580円
初めは登場人物の言動に苛立ちを感じた。主題の「自殺」について考えれば考えるほど、小説の中で描かれる社会が嘘臭く思えて気持ち悪かった。偶像を造り上げて皆自分の思想をその偶像に託して生きている。周囲が過熱し、偶像の思想とかけ離れて次第に温度差が激しくなっても、それぞれが自分の想いを重ねて神格化していく。何を求めているのだろう。神格化するのは勝手だが、偶像の思想から生まれた思想を再び偶像に押し付けてはいけない。「こう述べるからにはこうしなくてはいけない」とは人に押し付けられない。ましてや生きるべきだとか死ぬべきだなんて。でも読んでいくうちに言動に対する違和感や苛立は消え、真剣に皆の思考をなぞってみたり、自分の考えを言葉にしてみたりと、夢中になっていた。 ある学校で少女が宙を舞うように飛び下り自殺をし、その時から不定期に舞姫通信が配られはじめた。舞姫通信を誰が書いているのか、誰がその意志を継いでいるのかは分からない。伝説化された舞姫のことを崇めたようなその通信は、決して死にたい生徒が書いていたわけではなかったと思う。
境界などなにもないのだ。ステアリングを右に回せば、車はあっけなく反対側の車線に飛び出していく。あの白いセンターラインは壁ではない。ただの、ペンキで塗られた線だ。約束ごとに過ぎないラインを踏み越えることは簡単で(以下略)
という箇所が印象に残った。そうだなぁ、約束ごとなんだよなぁって。上手く言えないし、別に上手く言う必要もないんだけど、死なないことだってそういう目に見えない事に約束されたものなのかなと思った。生物には、生まれたからには生を全うして、子孫を残していくことがインプットされてる。生まれたからには生きるって、ただの約束事なのかなぁと。それ以上の理由は人間だけが作り出したもので、本当はそれ以上の意味などなくてもいいのかもしれない。それ以上の理由は、プラスアルファであって、無駄なものなのかもしれない。ただし人間は‥というか私は、やっぱりどうしても無駄なものが好きなんだ。無駄なものが大事。自分と無駄なものの為に生きている‥のかな。そして自分の為に生きている他人と一緒に生きていく、って読み終わってから思ったけれど、ちゃんと整理されていないからいつにもまして文章が分かりにくい。 誰かの「死」や自分の中の「死の願望」を乗り越えて、でも常に死と共にある「生」に到達していく物語。テーマは自殺(というより「いつでも死ねる」かな)だけど小説からは強い「生」を感じた。
○舞姫通信
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101349118/nekotabihutat-22/)
ISBN:4575234834
書籍形体:単行本
著者:恩田 陸
出版社:双葉社
出版年月:2003/10
価格:1470円
「MAZE」に出て来た神原恵弥が再登場。相変わらず陰謀の臭いがぷんぷんで、登場人物が隠しているものとそうでないもの、嘘と本当のバランスの際どさが話をイキイキさせて緊張感のあるものにしていたが、前作MAZEのような強い恐怖や緊張はなかった。初めから陰謀臭が強過ぎだったからかな?うーん、違うな。多分、陰謀そのものが話のメインではなかったから、あえて巧妙に隠し通すことをしなかったのだろう。「クレオパトラ」の話ではなくて、「クレオパトラ」をめぐる人間の話、「クレオパトラの夢」だったからだなぁと思う。
○クレオパトラの夢
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575234834/nekotabihutat-22)
書籍形体:単行本
著者:恩田 陸
出版社:双葉社
出版年月:2003/10
価格:1470円
「MAZE」に出て来た神原恵弥が再登場。相変わらず陰謀の臭いがぷんぷんで、登場人物が隠しているものとそうでないもの、嘘と本当のバランスの際どさが話をイキイキさせて緊張感のあるものにしていたが、前作MAZEのような強い恐怖や緊張はなかった。初めから陰謀臭が強過ぎだったからかな?うーん、違うな。多分、陰謀そのものが話のメインではなかったから、あえて巧妙に隠し通すことをしなかったのだろう。「クレオパトラ」の話ではなくて、「クレオパトラ」をめぐる人間の話、「クレオパトラの夢」だったからだなぁと思う。
○クレオパトラの夢
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575234834/nekotabihutat-22)
ISBN:4062634600
書籍形体:文庫
著者:薄井 ゆうじ
出版社:講談社
出版年月:1997/03
価格:714円
普通の生活を普通にこなしている主人公と2メートル67センチもある大男の不思議で非日常的な日常のお話です。ここから汲み取れる教訓や元気はたぶんあるのだけれど、それよりも悲しさや切なさのほうを強く感じます。この本を手にとっている今も、胸の奥がざわざわしています。お話としてはとっても前向きなものだと思いますが、何故でしょう。求めていてかつ手に入れられないものがそこにあるからかもしれません。
私は、薄井ゆうじさんの作品がとても好きです。
○星の感触
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062634600/nekotabihutat-22)
書籍形体:文庫
著者:薄井 ゆうじ
出版社:講談社
出版年月:1997/03
価格:714円
普通の生活を普通にこなしている主人公と2メートル67センチもある大男の不思議で非日常的な日常のお話です。ここから汲み取れる教訓や元気はたぶんあるのだけれど、それよりも悲しさや切なさのほうを強く感じます。この本を手にとっている今も、胸の奥がざわざわしています。お話としてはとっても前向きなものだと思いますが、何故でしょう。求めていてかつ手に入れられないものがそこにあるからかもしれません。
私は、薄井ゆうじさんの作品がとても好きです。
○星の感触
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062634600/nekotabihutat-22)
ISBN:4575234079
出版形体:単行本
著者:恩田 陸
出版社:双葉社
出版年月:2001/02
価格:1575円
ある場所に昔から建つ豆腐のような白い建物。そこに入ったものは人間に限らず消えてしまう。しかし、すべてのものが消えるわけではなかったようだ。ある男が理由は聞かされることなく、その謎を解くためだけにその場に呼ばれた。本当に消えてしまうことなどあるのだろうか?消えるというのはどういうことなのだろうか?
恐かった!その昔、初めて読んだ恩田陸の作品は『六番目の小夜子』だったのだが、その時もものすごく恐くてビクビクしていたことを覚えている。しかし、これはその時の恐さを超えた。ギクッとするどころではなく、小さな悲鳴を上げてしまったほどだ。何度も恩田陸の作品の感想で書いているように、ホラーのような恐さではない。窮屈な束縛感やルールから生まれる緊張感が、恐さの原因だと思う。
○MAZE(めいず)
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575234079/nekotabihutat-22)
>>読む予定の方はここから先を見ては恐怖倍増効果半減です
それからページをめくった時、突然太字で書かれていたりすると、それだけでギクッとする。緊張で張りつめた空気が徐々に濃くなっていき、おそるおそるページをめくったら『ドンッ!』とある文字が大きく太いフォントで書かれていた時の恐さといったら。初めて小説で太字が効果的に使われているのを見たのは、多分中学生の頃に読んだ村上春樹の『ダンスダンスダンス』だった気がします。村上春樹の作品は太字が効果的に使用されていて、いつもギクッとしてしまいます。
<HP更新履歴>
1/23 舞姫通信読了メモ
出版形体:単行本
著者:恩田 陸
出版社:双葉社
出版年月:2001/02
価格:1575円
ある場所に昔から建つ豆腐のような白い建物。そこに入ったものは人間に限らず消えてしまう。しかし、すべてのものが消えるわけではなかったようだ。ある男が理由は聞かされることなく、その謎を解くためだけにその場に呼ばれた。本当に消えてしまうことなどあるのだろうか?消えるというのはどういうことなのだろうか?
恐かった!その昔、初めて読んだ恩田陸の作品は『六番目の小夜子』だったのだが、その時もものすごく恐くてビクビクしていたことを覚えている。しかし、これはその時の恐さを超えた。ギクッとするどころではなく、小さな悲鳴を上げてしまったほどだ。何度も恩田陸の作品の感想で書いているように、ホラーのような恐さではない。窮屈な束縛感やルールから生まれる緊張感が、恐さの原因だと思う。
○MAZE(めいず)
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575234079/nekotabihutat-22)
>>読む予定の方はここから先を見ては恐怖倍増効果半減です
それからページをめくった時、突然太字で書かれていたりすると、それだけでギクッとする。緊張で張りつめた空気が徐々に濃くなっていき、おそるおそるページをめくったら『ドンッ!』とある文字が大きく太いフォントで書かれていた時の恐さといったら。初めて小説で太字が効果的に使われているのを見たのは、多分中学生の頃に読んだ村上春樹の『ダンスダンスダンス』だった気がします。村上春樹の作品は太字が効果的に使用されていて、いつもギクッとしてしまいます。
<HP更新履歴>
1/23 舞姫通信読了メモ
ISBN:4167549034
書籍形体:文庫
著者:宮部 みゆき
出版社:文芸春秋
出版年月:2000/10
価格:900円
あっという間に読むことができて面白かったけど、読後に少々物足りなさを感じた。なんで物足りないって感じるのかをちょっとだけ考えてみた。この小説は文庫本で678ページあるから、ボリュームはある方じゃないかなと思う。二・二六事件やその背景、昭和11年という時代を知らない人間でも、当時の空気を感じられるように描写されている分長くなるのはしょうがないかなぁって気がする。あ、そもそも長いなぁとは思わなかったか。
時代背景とメッセージとストーリーが同じくらいの割合を占めていて、それぞれがちょっとずつになってしまっているのではないかなっていうのは今、無理矢理に捻り出した感想。ですが、確かに不必要な会話は省かれてる感じ。描かれていない会話もなされているって想像はもちろんできるが。
678ページでは足りなかった。きっと長くなり過ぎることを避けるために、無駄をきれいにそぎ落としていったんじゃないかなぁとか勝手に考えてみたり。事件のことや蒲生大将閣下や蒲生家の人々のこと、孝史の家族のこと、蒲生邸のあった場所に建設されたホテルのこと‥もう少しずつ読みたかったかなぁ。
でも‥もしかしたら蒲生大将閣下については、わざと描かなかったのかなとも思う。(二・二六事件が起こる直前とそれ以降がメインというのもあるがそれだけじゃなくて。)彼の子供や他人が彼を語ることで徐々に蒲生憲之像を作り上げていった方が、なんというか、直接的じゃない分おぼろげな印象だけれど、それが強く残るような気もする。それに、話は確かに二・二六事件と密接に関係していて、事件が終わりを迎えるまでの間の話だけど、ストーリーの中心は二・二六事件ではない‥と私は思うから、蒲生憲之については彼の思想や行動が描かれない方が良かったかも。蒲生憲之を描いてしまうと、どうしても話の焦点が二・二六事件に合わさってしまう。彼を取り巻く人間を描くことで彼の人物像が浮かび上がる感じがちょうど良い。絵を描く時、そのものを描かずにまわりを塗りつぶしても、塗らなかった部分がちゃんと形に見えるのににてる。
物足りなさはもっと読みたいという気持ちに起因しているのかな。ストーリーは発想が面白くてきれいにまとまっているなって思ったし、メッセージに関しては似たようなことを思ったことがあって、楽しくいろいろ考えられた。
ドラえもんがはじめてのび太の部屋にきた時に話したことと同じようなことを言っているって思った。(言い方がちょっとちがうけど)
歴史のエネルギーはものすごい力で、その膨大なエネルギーが渦巻く中に人間が存在している。人間一人の向きを変えることはできても、大きなエネルギーの流れは変わらない。それでも、それでも迎えた結末にとても意味があったんだなぁと思う。歴史にとって意味がなくても、その人間にとっては大事なことだったんだ。大事なことはそれぞれ違うけど、自分の大事なものを誇りに生きることの重要さが感じられた。
○蒲生邸事件
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167549034/nekotabihutat-22)
<HP更新履歴>
・パタリロもの
・物欲メモ
書籍形体:文庫
著者:宮部 みゆき
出版社:文芸春秋
出版年月:2000/10
価格:900円
あっという間に読むことができて面白かったけど、読後に少々物足りなさを感じた。なんで物足りないって感じるのかをちょっとだけ考えてみた。この小説は文庫本で678ページあるから、ボリュームはある方じゃないかなと思う。二・二六事件やその背景、昭和11年という時代を知らない人間でも、当時の空気を感じられるように描写されている分長くなるのはしょうがないかなぁって気がする。あ、そもそも長いなぁとは思わなかったか。
時代背景とメッセージとストーリーが同じくらいの割合を占めていて、それぞれがちょっとずつになってしまっているのではないかなっていうのは今、無理矢理に捻り出した感想。ですが、確かに不必要な会話は省かれてる感じ。描かれていない会話もなされているって想像はもちろんできるが。
678ページでは足りなかった。きっと長くなり過ぎることを避けるために、無駄をきれいにそぎ落としていったんじゃないかなぁとか勝手に考えてみたり。事件のことや蒲生大将閣下や蒲生家の人々のこと、孝史の家族のこと、蒲生邸のあった場所に建設されたホテルのこと‥もう少しずつ読みたかったかなぁ。
でも‥もしかしたら蒲生大将閣下については、わざと描かなかったのかなとも思う。(二・二六事件が起こる直前とそれ以降がメインというのもあるがそれだけじゃなくて。)彼の子供や他人が彼を語ることで徐々に蒲生憲之像を作り上げていった方が、なんというか、直接的じゃない分おぼろげな印象だけれど、それが強く残るような気もする。それに、話は確かに二・二六事件と密接に関係していて、事件が終わりを迎えるまでの間の話だけど、ストーリーの中心は二・二六事件ではない‥と私は思うから、蒲生憲之については彼の思想や行動が描かれない方が良かったかも。蒲生憲之を描いてしまうと、どうしても話の焦点が二・二六事件に合わさってしまう。彼を取り巻く人間を描くことで彼の人物像が浮かび上がる感じがちょうど良い。絵を描く時、そのものを描かずにまわりを塗りつぶしても、塗らなかった部分がちゃんと形に見えるのににてる。
物足りなさはもっと読みたいという気持ちに起因しているのかな。ストーリーは発想が面白くてきれいにまとまっているなって思ったし、メッセージに関しては似たようなことを思ったことがあって、楽しくいろいろ考えられた。
歴史が先か人間が先か。永遠の命題だな。
歴史は自分の行きたいところを目指す
ドラえもんがはじめてのび太の部屋にきた時に話したことと同じようなことを言っているって思った。(言い方がちょっとちがうけど)
歴史のエネルギーはものすごい力で、その膨大なエネルギーが渦巻く中に人間が存在している。人間一人の向きを変えることはできても、大きなエネルギーの流れは変わらない。それでも、それでも迎えた結末にとても意味があったんだなぁと思う。歴史にとって意味がなくても、その人間にとっては大事なことだったんだ。大事なことはそれぞれ違うけど、自分の大事なものを誇りに生きることの重要さが感じられた。
○蒲生邸事件
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167549034/nekotabihutat-22)
<HP更新履歴>
・パタリロもの
・物欲メモ
ISBN:4120035875
書籍形体:単行本
著者:恩田 陸
出版社:中央公論新社
出版年月:2004/11
価格:1890円
蛇行する川のほとりでゆるやかに、時に豪雨の後の川の流れのように激しく流れていた、少年少女たちの過去と現在の時間
>>話の内容(結末)を暗示している恐れあり
真実は永遠に少女の胸の中にしまわれたまま、本当のことは誰にも理解されないのだとしても、少女は蛇行する川のほとりで過ごした過去と現在を大切に思っているのだろう。誰もが羨み憧れてしまう様な鋭さや魅力を持ち、恐怖すら感じさせた少女は、ただの少女だったのだ。きらきら輝いている10代の女の子だったんだなぁと思った。
理解されないまま、真実とは違うように思われることはどうでもよかったに違いない。それは単なる蛇行する川のほとりで起こった過去のできことに過ぎず、彼女はこれからに胸をときめかせていたように感じた。きらきら輝く10代のなかに潜む激しい感情を自分で押さえられない時が来るかもしれないけれど、それでもそれを理解した上で、今はこれでいいと思っていたように見えた。それなのに
キラキラ輝いたまま、少女は永遠に少女のまま‥それは悲しいことだ。
思ったような話ではなくて、昔話の懐かしさにともなう寂しさや悲しみでいっぱいになった。面白かった。
○蛇行する川のほとり
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4120035875/nekotabihutat-22)
<HP更新履歴>
1/20 我ながら分かりにくい禁じられた楽園メモ
書籍形体:単行本
著者:恩田 陸
出版社:中央公論新社
出版年月:2004/11
価格:1890円
蛇行する川のほとりでゆるやかに、時に豪雨の後の川の流れのように激しく流れていた、少年少女たちの過去と現在の時間
ひとつの話をしよう。目を閉じれば、今もあのぶらんこが目に浮かぶ。ゆるやかに蛇行する川のほとりに、いつもあのぶらんこは揺れていた。私たちはいつもあそこにいた。
>>話の内容(結末)を暗示している恐れあり
真実は永遠に少女の胸の中にしまわれたまま、本当のことは誰にも理解されないのだとしても、少女は蛇行する川のほとりで過ごした過去と現在を大切に思っているのだろう。誰もが羨み憧れてしまう様な鋭さや魅力を持ち、恐怖すら感じさせた少女は、ただの少女だったのだ。きらきら輝いている10代の女の子だったんだなぁと思った。
理解されないまま、真実とは違うように思われることはどうでもよかったに違いない。それは単なる蛇行する川のほとりで起こった過去のできことに過ぎず、彼女はこれからに胸をときめかせていたように感じた。きらきら輝く10代のなかに潜む激しい感情を自分で押さえられない時が来るかもしれないけれど、それでもそれを理解した上で、今はこれでいいと思っていたように見えた。それなのに
キラキラ輝いたまま、少女は永遠に少女のまま‥それは悲しいことだ。
思ったような話ではなくて、昔話の懐かしさにともなう寂しさや悲しみでいっぱいになった。面白かった。
○蛇行する川のほとり
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4120035875/nekotabihutat-22)
<HP更新履歴>
1/20 我ながら分かりにくい禁じられた楽園メモ
ねこたび書店 株本・経済本ランキング
2005年1月20日 和書実用書は順位をつけた方が良いと思い、自分が読んだ株本・経済本をランキング形式で紹介します。私の株や経済の知識はほぼ0に等しく、株で知っている言葉といえば「今日の終値」程度。ですので入門書選びの参考にはなるかもしれません。ランク付けの基準は「株についての知識(用語や仕組み)」「株の取り引き方法」「チャート等の情報の基本的な見方」が分かりやすく書かれていることです。色々読んでいて思いましたが、本によって特色があるということです。内容が被っている箇所も多くありますが、同じことでも少し違う説明がされている場合もあります(特にチャートの読み方や株の買い方)。なので一つを鵜呑みにすると情報が偏る可能性もあるから、何冊が読んでみて自分で納得のいくやり方を見つけるのが良いかな?
第1位 東大生が書いたやさしい株の教科書
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757302339/nekotabihutat-22 )
バランスよく情報が網羅されていた。深過ぎず浅過ぎず。全くの初心者である私が知りたかったことは大体カバーされている。読み物としてもきちんと楽しめるところが優れている。第2章の「良い銘柄悪い銘柄ってドコヲ見るの?」で説明されている損益計算書や貸借対照表etc.やPER・PBR等の指標、チャート分析を参考にしながら会社四季報を眺めると分かりやすかった。第4章の「株式ゲームの時間です」では本書で得た知識をクイズで試せる。
第2位 細野真宏の株 投資信託 外貨預金がわかる基礎の基礎講座
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062103184/nekotabihutat-22)
第1位の東大生が書いたやさしい株の教科書を読んでから本書を読んだのが良かったのかもしれない。深過ぎず浅過ぎず「株」の全体像を掴めるのが前書。実際の株の変動には欠かせない経済をより詳しく説明しながら株の講義もしているのが本書‥かな。東大生が書いたやさしい株の教科書に書かれていないことにも触れている。‥が、先にこっちだったら飽きていたかもしれない。先に全体像を掴んでいたし、目にする用語もほとんど2度目だったので分かりやすく読めましたが。「森永卓郎氏によるおもしろ実用経済講座」が面白かった。
第3位 藤原式「株のネット取引」がわかる基礎の基礎講座
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062567350/nekotabihutat-22)
ネットでの取り引きにしぼって解説がされている点が良い。やや実践向きの参考書。ロウソクチャートの読み方は本書が一番分かりやすかったと思う。バーチャル投資ゲーム「トレーディングタービー」の話やリンクも参考になった。
第4位 経済ってそういうことだったのか会議
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532191424/nekotabihutat-22)
読み物として面白いので4位。前に一度図書館で借りて読んだことがあり、とても分かりやすかったし面白かったのだが、正直いまいち頭に入らない箇所や分かりきらなかった箇所もあった。ほかの経済本や株本を読んだ今、もう一度読むとかなり違いが分かるのではないかと思う。文庫版を購入した。
第5位 一番やさしく株がわかる
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4791612299/nekotabihutat-22)
付録のCD-ROM「日経平均225銘柄のEXCELデータ」が良い。ロウソクチャートの形がタイプ別に分類されていて今まで挙げた入門書の中ではチャートの種類が一番多く取り上げられている。後は大体、上に挙げた本の内容と同じ。範囲は同じだけど、少々「浅い」かな。浅いのでこれだけだと誤解を招くような説明もあった。
第6位 カリスマ受験講師細野真宏の経済のニュースがよく分かる本(銀行・郵政・生命保険編)
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093974616/nekotabihutat-22)
良く分かった。いままでが本当に無知なだけだったんですけど。銀行って、郵便局って、生命保険会社って、こういう仕組みで運営されていたんだなぁ‥と。郵政三事業の民営化についても触れている。郵便局って赤字だらけだったんだ。確かに国営だと無駄が多いのかな。
第7位 カリスマ受験講師細野真宏の経済のニュースがよく分かる本(日本経済編)
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093793042/nekotabihutat-22)
これもまた分かりやすかった。小さい頃であまり実感がなかったバブル崩壊について、分かりやすい説明があったので理解できた。バブル崩壊後の日本と景気対策というsection全般が興味深かった。特に公共事業のインフラの整備あたり、1600億円の釣り堀とか。読みつつ、私って本当に何も知らないんだなぁとやはり無知を確認した。
第8位 サンプラザ中野と松本大の株本
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532350468/nekotabihutat-22)
現在の株式市場とこれからの提案。サンプラザ中野の経験談が織りまぜられた対談本。S嬢がサンプラザ中野と一緒に、ネットで株を買う場面も収録されている。アメリカ市場との比較や9/11テロ時のNY市場が回復するまでの話、役に立つリンク集など。これは今まで挙げた本とは異質ですが、読んでいて楽しめました。ただ株のアレコレを知りたいと思っている方には、これだけだと駄目だと思います。これを読むと株をやってみようかなって気になる、…そんな本です。
第9位 「株」のオートメーショントレードで儲ける本
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478630941/nekotabihutat-22)
完全な実践本ですね。ある有料ソフトと証券会社を紹介していて、そのソフトと会社を使用したオートメーショントレードの仕方を説明している本。ちょっと宣伝っぽいなぁ。ソフトを使用しない方法が書いてないので、よく見ないで買ってしまって損したかも。それとやってみないといまいち分からない。株の予算と時間に余裕があって、すぐにでもはじめられる人には、試してみるのもいいかもしれませんね?
番外 会社四季報
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0006O1HA2/nekotabihutat-22)
眺めていると結構楽しい。自分が興味のある分野の会社を見たり、既に名前を知っている有名な会社を見たり、目をつぶって適当に開いた箇所を見たり。まず字の小ささやギッシリ感や見方に慣れなきゃ。本書だけで分かるようになるまでは、東大生が書いたやさしい株の教科書と睨めっこ。
第1位 東大生が書いたやさしい株の教科書
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757302339/nekotabihutat-22 )
バランスよく情報が網羅されていた。深過ぎず浅過ぎず。全くの初心者である私が知りたかったことは大体カバーされている。読み物としてもきちんと楽しめるところが優れている。第2章の「良い銘柄悪い銘柄ってドコヲ見るの?」で説明されている損益計算書や貸借対照表etc.やPER・PBR等の指標、チャート分析を参考にしながら会社四季報を眺めると分かりやすかった。第4章の「株式ゲームの時間です」では本書で得た知識をクイズで試せる。
第2位 細野真宏の株 投資信託 外貨預金がわかる基礎の基礎講座
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062103184/nekotabihutat-22)
第1位の東大生が書いたやさしい株の教科書を読んでから本書を読んだのが良かったのかもしれない。深過ぎず浅過ぎず「株」の全体像を掴めるのが前書。実際の株の変動には欠かせない経済をより詳しく説明しながら株の講義もしているのが本書‥かな。東大生が書いたやさしい株の教科書に書かれていないことにも触れている。‥が、先にこっちだったら飽きていたかもしれない。先に全体像を掴んでいたし、目にする用語もほとんど2度目だったので分かりやすく読めましたが。「森永卓郎氏によるおもしろ実用経済講座」が面白かった。
第3位 藤原式「株のネット取引」がわかる基礎の基礎講座
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062567350/nekotabihutat-22)
ネットでの取り引きにしぼって解説がされている点が良い。やや実践向きの参考書。ロウソクチャートの読み方は本書が一番分かりやすかったと思う。バーチャル投資ゲーム「トレーディングタービー」の話やリンクも参考になった。
第4位 経済ってそういうことだったのか会議
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532191424/nekotabihutat-22)
読み物として面白いので4位。前に一度図書館で借りて読んだことがあり、とても分かりやすかったし面白かったのだが、正直いまいち頭に入らない箇所や分かりきらなかった箇所もあった。ほかの経済本や株本を読んだ今、もう一度読むとかなり違いが分かるのではないかと思う。文庫版を購入した。
第5位 一番やさしく株がわかる
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4791612299/nekotabihutat-22)
付録のCD-ROM「日経平均225銘柄のEXCELデータ」が良い。ロウソクチャートの形がタイプ別に分類されていて今まで挙げた入門書の中ではチャートの種類が一番多く取り上げられている。後は大体、上に挙げた本の内容と同じ。範囲は同じだけど、少々「浅い」かな。浅いのでこれだけだと誤解を招くような説明もあった。
第6位 カリスマ受験講師細野真宏の経済のニュースがよく分かる本(銀行・郵政・生命保険編)
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093974616/nekotabihutat-22)
良く分かった。いままでが本当に無知なだけだったんですけど。銀行って、郵便局って、生命保険会社って、こういう仕組みで運営されていたんだなぁ‥と。郵政三事業の民営化についても触れている。郵便局って赤字だらけだったんだ。確かに国営だと無駄が多いのかな。
第7位 カリスマ受験講師細野真宏の経済のニュースがよく分かる本(日本経済編)
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093793042/nekotabihutat-22)
これもまた分かりやすかった。小さい頃であまり実感がなかったバブル崩壊について、分かりやすい説明があったので理解できた。バブル崩壊後の日本と景気対策というsection全般が興味深かった。特に公共事業のインフラの整備あたり、1600億円の釣り堀とか。読みつつ、私って本当に何も知らないんだなぁとやはり無知を確認した。
第8位 サンプラザ中野と松本大の株本
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532350468/nekotabihutat-22)
現在の株式市場とこれからの提案。サンプラザ中野の経験談が織りまぜられた対談本。S嬢がサンプラザ中野と一緒に、ネットで株を買う場面も収録されている。アメリカ市場との比較や9/11テロ時のNY市場が回復するまでの話、役に立つリンク集など。これは今まで挙げた本とは異質ですが、読んでいて楽しめました。ただ株のアレコレを知りたいと思っている方には、これだけだと駄目だと思います。これを読むと株をやってみようかなって気になる、…そんな本です。
第9位 「株」のオートメーショントレードで儲ける本
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478630941/nekotabihutat-22)
完全な実践本ですね。ある有料ソフトと証券会社を紹介していて、そのソフトと会社を使用したオートメーショントレードの仕方を説明している本。ちょっと宣伝っぽいなぁ。ソフトを使用しない方法が書いてないので、よく見ないで買ってしまって損したかも。それとやってみないといまいち分からない。株の予算と時間に余裕があって、すぐにでもはじめられる人には、試してみるのもいいかもしれませんね?
番外 会社四季報
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0006O1HA2/nekotabihutat-22)
眺めていると結構楽しい。自分が興味のある分野の会社を見たり、既に名前を知っている有名な会社を見たり、目をつぶって適当に開いた箇所を見たり。まず字の小ささやギッシリ感や見方に慣れなきゃ。本書だけで分かるようになるまでは、東大生が書いたやさしい株の教科書と睨めっこ。
ISBN:4391126095
書籍形体:単行本
著者:フジモト マサル
出版社:主婦と生活社
出版年月:2002/03
価格:1260円
ちょっぴりおっかないけれど本当は心が温かいお父さん、ここぞという時はガドガドの味方をしてくれる優しいお母さん、そして元気いっぱいのガドガドのほんわか楽しい毎日を描いた絵本。
絵本というより漫画のようにコマ割りされていて、一つずつの話が短く完結しています。ほのぼのしているだけでなくあちこちに振りまかれている笑いのスパイスが大変良い隠し味になっています。読了後思い出しては微笑んで、また絵本を開いてしまうのはスパイスのせいでしょう。
私が好きなエピソードは「約束」と「おむかえ」ですね。ほかの話もみんなクスッと笑えるんですけれど、この二つにはむーちょ哄笑しました。
------------------------------------------------
○こぐまのガドガド
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4391126095/nekotabihutat-22)
書籍形体:単行本
著者:フジモト マサル
出版社:主婦と生活社
出版年月:2002/03
価格:1260円
ちょっぴりおっかないけれど本当は心が温かいお父さん、ここぞという時はガドガドの味方をしてくれる優しいお母さん、そして元気いっぱいのガドガドのほんわか楽しい毎日を描いた絵本。
絵本というより漫画のようにコマ割りされていて、一つずつの話が短く完結しています。ほのぼのしているだけでなくあちこちに振りまかれている笑いのスパイスが大変良い隠し味になっています。読了後思い出しては微笑んで、また絵本を開いてしまうのはスパイスのせいでしょう。
私が好きなエピソードは「約束」と「おむかえ」ですね。ほかの話もみんなクスッと笑えるんですけれど、この二つにはむーちょ哄笑しました。
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○こぐまのガドガド
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4391126095/nekotabihutat-22)
ISBN:4163565701
書籍形態:単行本(ソフトカバー)
著者:土屋 賢二
出版社:文芸春秋
出版年月:2000/09
価格:1450円
お茶の水女子大学教授で哲学者の土屋賢二の随筆。ユーモアが私のつぼをゲットする以上に、当たり前のことが上手に織り交ぜられていて、読んでいてハッとさせられることもしばしばです。(そういうものばかりではありませんが)
公式ホームページもかなり笑えます。
-----------------------------------------------------------------
○汝みずからを笑え
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163565701/nekotabihutat-22)
○土屋賢二の公式ホームページ(不完全版)
(http://www008.upp.so-net.ne.jp/kenji/)
書籍形態:単行本(ソフトカバー)
著者:土屋 賢二
出版社:文芸春秋
出版年月:2000/09
価格:1450円
他人にはたいした価値がないということは、簡単に知られるが、冷静になってみれば、そういう自分もせいぜい他人と同程度の価値しかないと思えるはずである。もっと冷静になってみれば、そもそも個人の価値を測ることに意味があるとは思えないはずである
お茶の水女子大学教授で哲学者の土屋賢二の随筆。ユーモアが私のつぼをゲットする以上に、当たり前のことが上手に織り交ぜられていて、読んでいてハッとさせられることもしばしばです。(そういうものばかりではありませんが)
公式ホームページもかなり笑えます。
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○汝みずからを笑え
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163565701/nekotabihutat-22)
○土屋賢二の公式ホームページ(不完全版)
(http://www008.upp.so-net.ne.jp/kenji/)
東大生が書いたやさしい株の教科書
2004年12月30日 和書
ISBN:4757302339
書籍形態:単行本(ソフトカバー)
著者:東京大学Agents
出版社:インデックス・コミュニケーションズ
出版年月:2004/06/07
価格:1575円
遊太くん、勤くん、彩ちゃんの3人が株についての特別講義を受けながら、株について語っている本です。対話形式の本で先生と3人の台詞だけですから、とても読みやすく株についても分かりやすかったですね。教育テレビのお兄さん、お姉さん、マスコットキャラクターと先生で構成される子供番組のような雰囲気があります。先生もそれぞれ個性的で章始めに書かれている先生紹介もなかなか面白いです。私は株についての知識といえば殆どないに等しいくらいで、初めて読んだ株の本がこれでしたが、これはかなりの当たり本だったと思っています。はじめに読んだ本がこれで良かったのではないかと、いろいろな株の本を読むことで強く感じました。難しいしややこしいからヤダ!って印象を与えないだけでも初心者にとってはスバラシイ本じゃないかなぁ。(株式投資はしたことないですけど)
うーん、経済も重要だと思って(むーちょ簡単な)経済の本とか(基礎的な)株の本を読みはじめたわけです。それと20代も半ばを過ぎたので、そろそろただただ稼いで消費するだけというのも能がないかなぁ‥と思いマシテン。いつまでもあんぽんたん20代でいるのは自分が嫌なので、とか言って激しく個人的な理由ですけれど、それによって日本経済や政治、世界経済や情勢にも目が向くことも良いですね。今までは見えなかったことも見えて、世界の見え方がまた変わりますよね。
今までがあんぽんたん過ぎだったという話もちらほら。
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○東大生が書いたやさしい株の教科書
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757302339/nekotabihutat-22)
書籍形態:単行本(ソフトカバー)
著者:東京大学Agents
出版社:インデックス・コミュニケーションズ
出版年月:2004/06/07
価格:1575円
遊太くん、勤くん、彩ちゃんの3人が株についての特別講義を受けながら、株について語っている本です。対話形式の本で先生と3人の台詞だけですから、とても読みやすく株についても分かりやすかったですね。教育テレビのお兄さん、お姉さん、マスコットキャラクターと先生で構成される子供番組のような雰囲気があります。先生もそれぞれ個性的で章始めに書かれている先生紹介もなかなか面白いです。私は株についての知識といえば殆どないに等しいくらいで、初めて読んだ株の本がこれでしたが、これはかなりの当たり本だったと思っています。はじめに読んだ本がこれで良かったのではないかと、いろいろな株の本を読むことで強く感じました。難しいしややこしいからヤダ!って印象を与えないだけでも初心者にとってはスバラシイ本じゃないかなぁ。(株式投資はしたことないですけど)
うーん、経済も重要だと思って(むーちょ簡単な)経済の本とか(基礎的な)株の本を読みはじめたわけです。それと20代も半ばを過ぎたので、そろそろただただ稼いで消費するだけというのも能がないかなぁ‥と思いマシテン。いつまでもあんぽんたん20代でいるのは自分が嫌なので、とか言って激しく個人的な理由ですけれど、それによって日本経済や政治、世界経済や情勢にも目が向くことも良いですね。今までは見えなかったことも見えて、世界の見え方がまた変わりますよね。
今までがあんぽんたん過ぎだったという話もちらほら。
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○東大生が書いたやさしい株の教科書
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757302339/nekotabihutat-22)
進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線
2004年12月29日 和書
ISBN:4255002738
書籍形態:単行本
著者:池谷裕二
出版社:朝日出版社
出版年月:2004/10/23
価格:1575円
池袋でウロチョロしている時に見つけた池谷裕二「進化しすぎた脳」。同著者と糸井重里の対談本「海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス 」が出版されたときは購入までに至らなかったんですけど、この「進化しすぎた脳」は少し立ち読みをして迷わずレジに持って行ってしまいました。今の脳科学では脳の仕組みの細部までは解明が出来ていますが、そのひとつひとつ働いている個々が合わさって、どのようなメカニズムで記憶・経験をして、行動を選択しているのか等の全体のプロセスはこれから研究が進められる部分だそうです。今分かっていることと、今分かりつつあること、それに分からないことがとても分かりやすく書かれていました。すっごく面白かった〜!アメリカにいる日本人の中高生8人と著者の対話型講義を本にしたのが本書らしいのですが、対話式であることも読みやすく分かりやすかったポイントだと思います。
本書の中に「言語学」に通ずるものがあるなぁと思いました。おぉ、以前読んだ言語学ものが、今一良く分かっていないにもかかわらず、別の分野での理解の助力になっている!と感動しました。うーんとそれは‥本書P.188「 2-23 自由意志と脳の指令」の辺りで話されています。
自分の意志でボタンを押そうと思ってから、脳に手を動かす命令を出すわけではなくて、動かそうと自分の意志で思った一秒前には既に手を動かす指令が出されているそうです。動かそうというクオリア(悲しいとか美しいとかいう感覚)が、脳に命令を出しているわけではないんですね。自分で決めていると思っていたのに、無意識で脳の神経が手を動かす指令を出して、その副産物としてクオリア(ここではボタンを押そうという感覚)が生まれているそうです。これにはびっくりしました。それからこれと同じように、恐怖を感じるから危険を回避するわけではないそうです。扁桃体という脳の場所が活動すると、危険を回避するようにプログラムされているんですね。その副産物としてクオリア(ここでは恐怖)が生まれます。私が思っていたのとは順序が違いました。涙や悲しみも同じで、悲しいから涙が出るわけではなくて涙が出た後にクオリア(ここでは悲しみ)が生まれます。すべての神経活動の副産物だと書かれていました。それでその流れでクオリアは確かに存在するけれど、悲しいとか喜びは言葉の幽霊なんだと著者は話していました。
やっと出てきた。ここが私が読んだ言語学の本の内容と通ずる「っぽい」なぁと感じたところなんです。あるクオリアを悲しみと後で名付けただけなんですよね。だから心っていうのも言葉で表現することで生まれた観念なんじゃないかなぁと、ここは私が勝手に思ったところですが。神経活動の副産物を言葉で表現したから悲しみや喜びや心が生まれたのではないかな?だから悲しみはどこから生まれるかというと、脳には「悲しみ」はないっていうのが答えなのかな、と。言語で表現する(例えば様々な種類の悲しみを「悲しみ」とひとくくりにまとめる)ことが、世界を制限しているのかなぁと思いました。だから脳と心は密接に結びついているのでしょうけど、言葉で表現されている「心」の定義とは少し違うのではないかなぁとか、もう書いていて自分でもよく分からないです。すみません。
とにかく内容が盛りだくさんなので、本書数ページ分について感想を書いただけでもの凄い長さになってしまいます。読んでいると自分の興味を持てる分野が出てきて、その分野についてもっと知りたいなぁと思いました。
------------------------------------------
○進化しすぎた脳
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4255002738/nekotabihutat-22)
書籍形態:単行本
著者:池谷裕二
出版社:朝日出版社
出版年月:2004/10/23
価格:1575円
池袋でウロチョロしている時に見つけた池谷裕二「進化しすぎた脳」。同著者と糸井重里の対談本「海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス 」が出版されたときは購入までに至らなかったんですけど、この「進化しすぎた脳」は少し立ち読みをして迷わずレジに持って行ってしまいました。今の脳科学では脳の仕組みの細部までは解明が出来ていますが、そのひとつひとつ働いている個々が合わさって、どのようなメカニズムで記憶・経験をして、行動を選択しているのか等の全体のプロセスはこれから研究が進められる部分だそうです。今分かっていることと、今分かりつつあること、それに分からないことがとても分かりやすく書かれていました。すっごく面白かった〜!アメリカにいる日本人の中高生8人と著者の対話型講義を本にしたのが本書らしいのですが、対話式であることも読みやすく分かりやすかったポイントだと思います。
本書の中に「言語学」に通ずるものがあるなぁと思いました。おぉ、以前読んだ言語学ものが、今一良く分かっていないにもかかわらず、別の分野での理解の助力になっている!と感動しました。うーんとそれは‥本書P.188「 2-23 自由意志と脳の指令」の辺りで話されています。
自分の意志でボタンを押そうと思ってから、脳に手を動かす命令を出すわけではなくて、動かそうと自分の意志で思った一秒前には既に手を動かす指令が出されているそうです。動かそうというクオリア(悲しいとか美しいとかいう感覚)が、脳に命令を出しているわけではないんですね。自分で決めていると思っていたのに、無意識で脳の神経が手を動かす指令を出して、その副産物としてクオリア(ここではボタンを押そうという感覚)が生まれているそうです。これにはびっくりしました。それからこれと同じように、恐怖を感じるから危険を回避するわけではないそうです。扁桃体という脳の場所が活動すると、危険を回避するようにプログラムされているんですね。その副産物としてクオリア(ここでは恐怖)が生まれます。私が思っていたのとは順序が違いました。涙や悲しみも同じで、悲しいから涙が出るわけではなくて涙が出た後にクオリア(ここでは悲しみ)が生まれます。すべての神経活動の副産物だと書かれていました。それでその流れでクオリアは確かに存在するけれど、悲しいとか喜びは言葉の幽霊なんだと著者は話していました。
やっと出てきた。ここが私が読んだ言語学の本の内容と通ずる「っぽい」なぁと感じたところなんです。あるクオリアを悲しみと後で名付けただけなんですよね。だから心っていうのも言葉で表現することで生まれた観念なんじゃないかなぁと、ここは私が勝手に思ったところですが。神経活動の副産物を言葉で表現したから悲しみや喜びや心が生まれたのではないかな?だから悲しみはどこから生まれるかというと、脳には「悲しみ」はないっていうのが答えなのかな、と。言語で表現する(例えば様々な種類の悲しみを「悲しみ」とひとくくりにまとめる)ことが、世界を制限しているのかなぁと思いました。だから脳と心は密接に結びついているのでしょうけど、言葉で表現されている「心」の定義とは少し違うのではないかなぁとか、もう書いていて自分でもよく分からないです。すみません。
とにかく内容が盛りだくさんなので、本書数ページ分について感想を書いただけでもの凄い長さになってしまいます。読んでいると自分の興味を持てる分野が出てきて、その分野についてもっと知りたいなぁと思いました。
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○進化しすぎた脳
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4255002738/nekotabihutat-22)
やがて死すべき愛について
2004年12月27日 和書
やがて死すべき愛について
ISBN:4047912239
書籍形態:単行本
著者:シリル・コラール
訳者:長島 良三
出版社:角川書店
出版年月:1994/12
価格:1733円
有名な作品”野性の夜に”を書いた彼の処女作だそうです。毒々しいほどに真っ赤な表紙と儚いけれど強烈な描写には、読んだ当時衝撃をうけました。ホモセクシュアルにバイセクシュアル・・エイズと死。内容は非常に暴力的なのにどこか美しく詩的で、映像が脳裏に焼きつきます。脳に流れ込む鮮やかな色とそこに結び付けられるイメージで白いキャンバスを染め上げれば、読み終わる頃には繊細で・・破滅的な絵が出来る。そんな本です。(どんな本だ/口下手でスミマセン)シリル・コラール自身、既にエイズで他界しています。
-------------------------------------------------
○やがて死すべき愛について
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4047912239/nekotabihutat-22)
ISBN:4047912239
書籍形態:単行本
著者:シリル・コラール
訳者:長島 良三
出版社:角川書店
出版年月:1994/12
価格:1733円
有名な作品”野性の夜に”を書いた彼の処女作だそうです。毒々しいほどに真っ赤な表紙と儚いけれど強烈な描写には、読んだ当時衝撃をうけました。ホモセクシュアルにバイセクシュアル・・エイズと死。内容は非常に暴力的なのにどこか美しく詩的で、映像が脳裏に焼きつきます。脳に流れ込む鮮やかな色とそこに結び付けられるイメージで白いキャンバスを染め上げれば、読み終わる頃には繊細で・・破滅的な絵が出来る。そんな本です。(どんな本だ/口下手でスミマセン)シリル・コラール自身、既にエイズで他界しています。
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○やがて死すべき愛について
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4047912239/nekotabihutat-22)
ISBN:4062638878
書籍形態: 文庫
著者:京極 夏彦
出版社:講談社
出版年月:1998/09
価格:840円
あらすじ:
ほかの古書店では敬遠される古書を取り扱い、仕入れる本といえば自分の読みたい本ばかりの古書店「京極堂」の主人が、奇怪な事件を解決していくシリーズ物第一弾。
東京にある古い医院におかしな噂が流れていた。医院の娘がもう「二十箇月も妊娠している」という。おまけにその娘の主人は「密室から消失した」というのだ。京極堂主人といえば一風変わっていて、陰陽師でもあるのが、果たして事件は憑き物に関係しているのだろうか。噂のような怪奇なものなのだろうか。京極堂主人の友人関口と探偵である榎木津はその事件に関する依頼を受け調べはじめたのだが、どうもはっきりしないことが多すぎる。事件を解決するために過去を紐解くうちに、事件は思わぬ方向へ進んでいく。
装飾を振り落とすと以外とシンプルな話じゃないかなと思いながら読んでいました。もちろん装飾と言っても事件以外の全てがそうであるわけでもなく、何が事件と関係しているのかを見極めなければいけませんが。とにかくはじめは「以外とあっさりした事件」だという印象を受けましたね。読み進めていくとそうでもなかったわけですが‥。キーワードは憑き物と大脳科学でしょうか。
怪奇の可能性が強いのかと思わせておきながら、そうでない可能性についても論理的に説明しています。京極堂主人の話はまるで雲をつかむようだと、語り手の関口が感じている焦燥感がそのまま読み手に伝わってきます。それによってちっとも進んでいないかに思われる事件ですが、実は少しずつ明らかになっています。ただ最後の方まで、読み手が考える進んでいる方向次第で、どうとでも受け取れるようになっているというか、先に書きましたが、どちらの可能性もあるように話は進みますから、余計にちっとも進んでいない気がするのでしょうね。
京極堂主人の話は読み手の思う方向によって、姿をかえてしまう気がしました。でももし正しい方向であったらば、一見どちらつかずに見えたとしても、きちんとどちらのことを言っているのかはっきり分かります。ストーリー以外ではその辺も面白かったです。様々な事柄の説明が長いんですが、それもね、ほら。あれだから。
‥‥‥‥‥‥‥‥。
推理小説(いまどきいわない?ミステリかな)ってストーリーが書きづらいですよね。ちょっとでも核心に触れてしまったらネタバレの可能性もあるし、何も知らないで読めば楽しめただろうものでも変な前知識のせいで半減してしまうし。って、今頃京極夏彦のこれを読む人は少ないか。私はルー=ガルーが初京極夏彦で(変な言葉)、これが二度目の京極夏彦です。
これからが楽しみです。
--------------------------------------
○姑獲鳥の夏 講談社文庫
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062638878/nekotabihutat-22)
書籍形態: 文庫
著者:京極 夏彦
出版社:講談社
出版年月:1998/09
価格:840円
あらすじ:
ほかの古書店では敬遠される古書を取り扱い、仕入れる本といえば自分の読みたい本ばかりの古書店「京極堂」の主人が、奇怪な事件を解決していくシリーズ物第一弾。
東京にある古い医院におかしな噂が流れていた。医院の娘がもう「二十箇月も妊娠している」という。おまけにその娘の主人は「密室から消失した」というのだ。京極堂主人といえば一風変わっていて、陰陽師でもあるのが、果たして事件は憑き物に関係しているのだろうか。噂のような怪奇なものなのだろうか。京極堂主人の友人関口と探偵である榎木津はその事件に関する依頼を受け調べはじめたのだが、どうもはっきりしないことが多すぎる。事件を解決するために過去を紐解くうちに、事件は思わぬ方向へ進んでいく。
装飾を振り落とすと以外とシンプルな話じゃないかなと思いながら読んでいました。もちろん装飾と言っても事件以外の全てがそうであるわけでもなく、何が事件と関係しているのかを見極めなければいけませんが。とにかくはじめは「以外とあっさりした事件」だという印象を受けましたね。読み進めていくとそうでもなかったわけですが‥。キーワードは憑き物と大脳科学でしょうか。
怪奇の可能性が強いのかと思わせておきながら、そうでない可能性についても論理的に説明しています。京極堂主人の話はまるで雲をつかむようだと、語り手の関口が感じている焦燥感がそのまま読み手に伝わってきます。それによってちっとも進んでいないかに思われる事件ですが、実は少しずつ明らかになっています。ただ最後の方まで、読み手が考える進んでいる方向次第で、どうとでも受け取れるようになっているというか、先に書きましたが、どちらの可能性もあるように話は進みますから、余計にちっとも進んでいない気がするのでしょうね。
京極堂主人の話は読み手の思う方向によって、姿をかえてしまう気がしました。でももし正しい方向であったらば、一見どちらつかずに見えたとしても、きちんとどちらのことを言っているのかはっきり分かります。ストーリー以外ではその辺も面白かったです。様々な事柄の説明が長いんですが、それもね、ほら。あれだから。
‥‥‥‥‥‥‥‥。
推理小説(いまどきいわない?ミステリかな)ってストーリーが書きづらいですよね。ちょっとでも核心に触れてしまったらネタバレの可能性もあるし、何も知らないで読めば楽しめただろうものでも変な前知識のせいで半減してしまうし。って、今頃京極夏彦のこれを読む人は少ないか。私はルー=ガルーが初京極夏彦で(変な言葉)、これが二度目の京極夏彦です。
これからが楽しみです。
--------------------------------------
○姑獲鳥の夏 講談社文庫
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062638878/nekotabihutat-22)
あのね、サンタの国ではね…
2004年12月25日 和書
☆彡Merry Christmas To Each One Of You ☆彡
ねこたび書店初のクリスマス特集!
(特集というほど紹介しないけど)
クリスマス関連の絵本と映画大セール!
(普通価格だし、Amazon.co.jpにリンクしただけだけど)
クリスマスなので保育園にもクリスマス関連の絵本が登場しました。最近初めて読んだ絵本なんですけど「あのね、サンタの国ではね…」というお話がとても気に入りました。サンタの国では一年をどのように過ごしていくかを、一月(ひとつき)ごとに描いたサンタクロース暦のようなものです。私がおもしろーいと思ったのは、よいこさがしを始める七月ですね。気球に乗った数人のサンタが双眼鏡片手に、赤いノートにチェックしていきます。そうかそうか、七月から下準備か‥と妙に納得してしまいました。サンタクロースの生活についてのお話は国によって様々ですが、この絵本のサンタクロースの一年はとても素敵でした。
他には女の人がサンタをしてもいいかどうかを話し合う本があった気がするんですが、それも面白かったです。でもタイトルが思い出せないなぁ‥立ち読みだったからなぁ。去年のクリスマス頃ツタヤで読んだのは覚えているのですが。うーん、記憶の糸が納豆のネバネバほどに細く、ぐんぐん伸びてしまうので引き出せません。
映画では、「サンタクロース・リターンズ! 」のサンタの国が良かったです。ここでは、小さい妖精と一緒に子供たちのプレゼントを作っていました(これが一般的かな)。それからサンタのそりを引く8頭のトナカイには決まった名前が付けられています。
8頭の名前は:
Blitzen (ブリッツェン)、Comet (コメット)、Cupid (キューピッド)、Dancer (ダンサー)、Dasher (ダッシャ−)、Donder (ドンダ−)、Prancer (プランサー)、 Vixen (ヴィクセン)
他にもクリスマスの映画は数えきれないくらいありますよね。ソーラ・バーチが出ているクリスマス映画ってなんだっけ‥「クリスマスに万歳!」でした。でもこの邦題ってどうなんでしょう。原題は「All I Want For Christmas 」で、両親の離婚に反対し二人が元に戻って家族で幸せなクリスマスを過ごすことだけを望む二人の子供の話です。うちの両親は私が18歳の時に離婚しましたけど、もともとイベントの日に家族がそろうことは少なかったですね。プレゼントはきちんと用意してくれて、きちんと考えてくれていたので悲しさを感じたことはありませんでしたが。それにアメリカでのクリスマスの重みと日本でのそれは大分違うように思います。クリスマスに家族で過ごすことが当たり前となっている世界では、クリスマスに家族で過ごせない現実が子供だけでなく大人の心にも重くのしかかるのでしょうね。
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<絵本>
○あのね、サンタの国ではね…/嘉納 純子 著
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4032210306/nekotabihutat-22 )
○よるくまクリスマスのまえのよる /酒井 駒子 著
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4592760891/nekotabihutat-22 )
<映画>
○All I Want for Christmas (クリスマス万歳!)
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005GTUQ/nekotabihutat-22 )
○サンタクローズ/The SANTA CLAUSE
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00069BLQM/nekotabihutat-22)
○サンタクロース・リターンズ! クリスマス危機一髪
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00069BLQW/nekotabihutat-22 )
○34丁目の奇跡
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002ZEVZI/nekotabihutat-22)
○The Nightmare Before Christmas
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00006LSZ4/nekotabihutat-22)
○クリスマス・キャロル
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HR0E/nekotabihutat-22)
○スヌーピーのメリークリスマス/A CHARLIE BROWN CHRISTMAS
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000657QG0/nekotabihutat-22)
ねこたび書店初のクリスマス特集!
(特集というほど紹介しないけど)
クリスマス関連の絵本と映画大セール!
(普通価格だし、Amazon.co.jpにリンクしただけだけど)
クリスマスなので保育園にもクリスマス関連の絵本が登場しました。最近初めて読んだ絵本なんですけど「あのね、サンタの国ではね…」というお話がとても気に入りました。サンタの国では一年をどのように過ごしていくかを、一月(ひとつき)ごとに描いたサンタクロース暦のようなものです。私がおもしろーいと思ったのは、よいこさがしを始める七月ですね。気球に乗った数人のサンタが双眼鏡片手に、赤いノートにチェックしていきます。そうかそうか、七月から下準備か‥と妙に納得してしまいました。サンタクロースの生活についてのお話は国によって様々ですが、この絵本のサンタクロースの一年はとても素敵でした。
他には女の人がサンタをしてもいいかどうかを話し合う本があった気がするんですが、それも面白かったです。でもタイトルが思い出せないなぁ‥立ち読みだったからなぁ。去年のクリスマス頃ツタヤで読んだのは覚えているのですが。うーん、記憶の糸が納豆のネバネバほどに細く、ぐんぐん伸びてしまうので引き出せません。
映画では、「サンタクロース・リターンズ! 」のサンタの国が良かったです。ここでは、小さい妖精と一緒に子供たちのプレゼントを作っていました(これが一般的かな)。それからサンタのそりを引く8頭のトナカイには決まった名前が付けられています。
8頭の名前は:
Blitzen (ブリッツェン)、Comet (コメット)、Cupid (キューピッド)、Dancer (ダンサー)、Dasher (ダッシャ−)、Donder (ドンダ−)、Prancer (プランサー)、 Vixen (ヴィクセン)
他にもクリスマスの映画は数えきれないくらいありますよね。ソーラ・バーチが出ているクリスマス映画ってなんだっけ‥「クリスマスに万歳!」でした。でもこの邦題ってどうなんでしょう。原題は「All I Want For Christmas 」で、両親の離婚に反対し二人が元に戻って家族で幸せなクリスマスを過ごすことだけを望む二人の子供の話です。うちの両親は私が18歳の時に離婚しましたけど、もともとイベントの日に家族がそろうことは少なかったですね。プレゼントはきちんと用意してくれて、きちんと考えてくれていたので悲しさを感じたことはありませんでしたが。それにアメリカでのクリスマスの重みと日本でのそれは大分違うように思います。クリスマスに家族で過ごすことが当たり前となっている世界では、クリスマスに家族で過ごせない現実が子供だけでなく大人の心にも重くのしかかるのでしょうね。
--------------------------------------
<絵本>
○あのね、サンタの国ではね…/嘉納 純子 著
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4032210306/nekotabihutat-22 )
○よるくまクリスマスのまえのよる /酒井 駒子 著
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4592760891/nekotabihutat-22 )
<映画>
○All I Want for Christmas (クリスマス万歳!)
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005GTUQ/nekotabihutat-22 )
○サンタクローズ/The SANTA CLAUSE
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00069BLQM/nekotabihutat-22)
○サンタクロース・リターンズ! クリスマス危機一髪
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00069BLQW/nekotabihutat-22 )
○34丁目の奇跡
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002ZEVZI/nekotabihutat-22)
○The Nightmare Before Christmas
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00006LSZ4/nekotabihutat-22)
○クリスマス・キャロル
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HR0E/nekotabihutat-22)
○スヌーピーのメリークリスマス/A CHARLIE BROWN CHRISTMAS
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000657QG0/nekotabihutat-22)
ダンス・ダンス・ダンス
2004年12月24日 和書
ISBN:4061850059
書籍形態:文庫
著者:村上 春樹
出版社:講談社
出版年月:1991/12
価格:620円
あらすじ:
あらすじがかけないはなし。(放棄)
主人公の「僕」は確かに現実を生きているのに、その世界にはまるで現実味がなく。現実の描写なのにその世界は全く幻想的。「僕」の友達や知り合いが実際に現れて「僕」に関わっては消えていくのだが、本当に存在したのだろうか?とかそんな簡単なことでさえも朧げで曖昧である。存在を観測した瞬間にそれは過去になってしまい、常に観測しているのは過去のニオイでありユラギであって本体ではないような、「僕」を通して見る世界の全てのものが危ういかんじ。
ただ。その中で「ユキ」だけが本物だと思えた。「ユキ」がいるから「僕」も本物だ、大丈夫。ちゃんと存在すると確認できていたような気がする。
それから、なぜだろう。強烈な死の匂いがしたのが印象的だった。
「僕」と「ユキ」と「いるかホテル」
この話に出てくる「ユキ」という女の子と同じ歳に、初めて村上春樹の小説に出会いました。ちょうど13歳で、ダンスダンスダンスを読んだ私はこの小説が大好きになりました。不思議な感覚と恐怖と分からないこと、共感できることいろいろな感情を持って読むことができました。初めて読んだときの驚きは覚えているけれど、具体的にどこでどういう感想を持ったとかは覚えていないのがちょっと残念。ただ「僕」と「ユキ」と「いるかホテル」と「キキ」と「羊男」などなど、登場人物が魅力的だと思いました。その中でもやっぱり同じ歳だった「ユキ」 のことは、少しだけ意識していたように思います。
私は学校がすきではありませんでした。行きたくない時に、どうして学校に行かなくてはならいのかが分からなかったからです。我慢できないときもありました。勉強だけなら自分でも(学校に行かずに)出来ると思っていました。休みたい時に休みはじめたのも、ちょうどこの小説に出会った頃だったかもしれません。(ちゃんと覚えてないけれど。)いささか偏った考えだというのは、今となっては理解できますが、あの頃は真剣に考えました。
ダンスダンスダンスを読むと、13歳の頃の私を少し思い出すことができるのです。作品の雰囲気と匂いがあの頃の私に結びついていて、周りの空気が13年前の空気に変わっていきます。セックスや大人の生活の描写、ユキと僕の関係に淡々と語られる様々なこと全てが、私に影響を与えてくれました。それは今でも影響を与え続けているものだと、私は思っています。小さな頃に出会ったものは、長く自分に関わってくるものだと、そう思いました。
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○ダンス・ダンス・ダンス
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061850059/nekotabihutat-22)
書籍形態:文庫
著者:村上 春樹
出版社:講談社
出版年月:1991/12
価格:620円
あらすじ:
あらすじがかけないはなし。(放棄)
主人公の「僕」は確かに現実を生きているのに、その世界にはまるで現実味がなく。現実の描写なのにその世界は全く幻想的。「僕」の友達や知り合いが実際に現れて「僕」に関わっては消えていくのだが、本当に存在したのだろうか?とかそんな簡単なことでさえも朧げで曖昧である。存在を観測した瞬間にそれは過去になってしまい、常に観測しているのは過去のニオイでありユラギであって本体ではないような、「僕」を通して見る世界の全てのものが危ういかんじ。
ただ。その中で「ユキ」だけが本物だと思えた。「ユキ」がいるから「僕」も本物だ、大丈夫。ちゃんと存在すると確認できていたような気がする。
それから、なぜだろう。強烈な死の匂いがしたのが印象的だった。
「僕」と「ユキ」と「いるかホテル」
この話に出てくる「ユキ」という女の子と同じ歳に、初めて村上春樹の小説に出会いました。ちょうど13歳で、ダンスダンスダンスを読んだ私はこの小説が大好きになりました。不思議な感覚と恐怖と分からないこと、共感できることいろいろな感情を持って読むことができました。初めて読んだときの驚きは覚えているけれど、具体的にどこでどういう感想を持ったとかは覚えていないのがちょっと残念。ただ「僕」と「ユキ」と「いるかホテル」と「キキ」と「羊男」などなど、登場人物が魅力的だと思いました。その中でもやっぱり同じ歳だった「ユキ」 のことは、少しだけ意識していたように思います。
私は学校がすきではありませんでした。行きたくない時に、どうして学校に行かなくてはならいのかが分からなかったからです。我慢できないときもありました。勉強だけなら自分でも(学校に行かずに)出来ると思っていました。休みたい時に休みはじめたのも、ちょうどこの小説に出会った頃だったかもしれません。(ちゃんと覚えてないけれど。)いささか偏った考えだというのは、今となっては理解できますが、あの頃は真剣に考えました。
ダンスダンスダンスを読むと、13歳の頃の私を少し思い出すことができるのです。作品の雰囲気と匂いがあの頃の私に結びついていて、周りの空気が13年前の空気に変わっていきます。セックスや大人の生活の描写、ユキと僕の関係に淡々と語られる様々なこと全てが、私に影響を与えてくれました。それは今でも影響を与え続けているものだと、私は思っています。小さな頃に出会ったものは、長く自分に関わってくるものだと、そう思いました。
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○ダンス・ダンス・ダンス
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061850059/nekotabihutat-22)
ISBN:4198610932
書籍形態:単行本
著者:恩田 陸
出版社:徳間書店
出版年月:1999/11
価格:¥1,680
あらすじ:
大女流作家重松時子が薬物死を遂げてから4年。時子と近しい関係にある5人の女たちは、時子を偲ぶ意味でも彼女の家で生前から行っていた1年に1度の集まりを続けていた。彼女の死後4年間は、それぞれの心に何かが燻っていたものの口には出せずに終わっていた。が、今回はどこか違っていた。
今まで読んできた恩田陸の作品全てに言える感想だが、人間の闇の部分を表現するのがうまい。あけっぴろげな会話が魅力的であるのはもちろん、人間が抱えている闇だったり秘密を隠したまま交わす、狐の化かし合いのような会話がすばらしい。じりじりと追いつめ、心理的に攻めてくる会話と会話の間は読んでいて心に堪えるーー。
決して語られていないわけではないのに(むしろこの作品では台詞が多く、5人の女がどんどん秘密を告白している)、どういうわけか何かが潜んでいるのではないか?何が隠れているんだろうか?といった、なんとも言えない不安や闇がつきまとう。語られる部分と隠されている事実のバランスが良くとれていて、話に最後まで惹き付けられた。それから物書きの女5人(1人は編集長だが)が時子の館でひたすら飲んだり食べたりしつつ会話をして、真実に近付いていくという設定がやっぱり面白い。死んでしまった時子と5人の微妙な距離感もよかった。
秘密にしていた事柄が明かされるたびに真実が遠ざかっていく気がするのだが、因果の法則だなぁと思った。風呂で読んでいたのだが、ギクッとする箇所が何度もあってかなり恐かった。(この作品に限らず、恩田陸の作品ではいつもギクッとさせられる。)
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○木曜組曲(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198610932/nekotabihutat-22)
○木曜組曲 映画のサイト(http://www.cqn.co.jp/MOKUYO/)
映画化されているらしく、サイトを見てみたら女編集長役が加藤登紀子だったのに驚いた。この作品を読みながら他の役柄は特に思い浮かばなかったけれど、編集長役だけは加藤登紀子をイメージして読んでいたから。
書籍形態:単行本
著者:恩田 陸
出版社:徳間書店
出版年月:1999/11
価格:¥1,680
あらすじ:
大女流作家重松時子が薬物死を遂げてから4年。時子と近しい関係にある5人の女たちは、時子を偲ぶ意味でも彼女の家で生前から行っていた1年に1度の集まりを続けていた。彼女の死後4年間は、それぞれの心に何かが燻っていたものの口には出せずに終わっていた。が、今回はどこか違っていた。
皆様の罪を忘れないために、、今日この場所に死者のための花を捧げますとメッセージが添えられた謎の花束が届いたことで、皆の心にあったものがどんどん表に現れた。5人は過去の記憶をひも解くことで、隠されていた事実と時子の死の真実を解き明かしていく。
今まで読んできた恩田陸の作品全てに言える感想だが、人間の闇の部分を表現するのがうまい。あけっぴろげな会話が魅力的であるのはもちろん、人間が抱えている闇だったり秘密を隠したまま交わす、狐の化かし合いのような会話がすばらしい。じりじりと追いつめ、心理的に攻めてくる会話と会話の間は読んでいて心に堪えるーー。
決して語られていないわけではないのに(むしろこの作品では台詞が多く、5人の女がどんどん秘密を告白している)、どういうわけか何かが潜んでいるのではないか?何が隠れているんだろうか?といった、なんとも言えない不安や闇がつきまとう。語られる部分と隠されている事実のバランスが良くとれていて、話に最後まで惹き付けられた。それから物書きの女5人(1人は編集長だが)が時子の館でひたすら飲んだり食べたりしつつ会話をして、真実に近付いていくという設定がやっぱり面白い。死んでしまった時子と5人の微妙な距離感もよかった。
秘密にしていた事柄が明かされるたびに真実が遠ざかっていく気がするのだが、因果の法則だなぁと思った。風呂で読んでいたのだが、ギクッとする箇所が何度もあってかなり恐かった。(この作品に限らず、恩田陸の作品ではいつもギクッとさせられる。)
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○木曜組曲(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198610932/nekotabihutat-22)
○木曜組曲 映画のサイト(http://www.cqn.co.jp/MOKUYO/)
映画化されているらしく、サイトを見てみたら女編集長役が加藤登紀子だったのに驚いた。この作品を読みながら他の役柄は特に思い浮かばなかったけれど、編集長役だけは加藤登紀子をイメージして読んでいたから。
呪いの都市伝説 カシマさんを追う
2004年12月21日 和書
ISBN:4901226851
書籍形態:単行本
著者:松山 ひろし
出版社:アールズ出版
出版年月:2004/11
価格:¥1,365
私は小学生の頃カシマさんの話を聞きました。いったい誰に聞いたのか記憶にありませんが、話を聞いた後「‥この話を聞いた人の所にカシマさんがやってきて‥」とか言われて結構恐かった。そういうパターンの話が流行りましたよね。それでもしカシマさんがきたら「かしまれいこ(だったかなー‥)のかは仮面のか、かしまれいこのしは死人のし‥」と唱えればいい、という。そんなアホな!と思いつつも一生懸命覚えましたね。
現代奇談(http://osi.cool.ne.jp/)というサイトで取り上げられていたカシマさん伝説がまとめられたのが本書だそうです。このサイトではカシマさん以外にも多くの都市伝説が載っておりとても興味深いです。聞いたことがある話もあれば、自分が知っているものと少し形が違うけれど似ている話もあり、また初耳のものもありました。夜中に一人で読むのは意外と恐い。そのうちミョーに背後が気になりはじめるんですよね。
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○呪いの都市伝説 カシマさんを追う
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901226851/nekotabihutat-22)
書籍形態:単行本
著者:松山 ひろし
出版社:アールズ出版
出版年月:2004/11
価格:¥1,365
私は小学生の頃カシマさんの話を聞きました。いったい誰に聞いたのか記憶にありませんが、話を聞いた後「‥この話を聞いた人の所にカシマさんがやってきて‥」とか言われて結構恐かった。そういうパターンの話が流行りましたよね。それでもしカシマさんがきたら「かしまれいこ(だったかなー‥)のかは仮面のか、かしまれいこのしは死人のし‥」と唱えればいい、という。そんなアホな!と思いつつも一生懸命覚えましたね。
現代奇談(http://osi.cool.ne.jp/)というサイトで取り上げられていたカシマさん伝説がまとめられたのが本書だそうです。このサイトではカシマさん以外にも多くの都市伝説が載っておりとても興味深いです。聞いたことがある話もあれば、自分が知っているものと少し形が違うけれど似ている話もあり、また初耳のものもありました。夜中に一人で読むのは意外と恐い。そのうちミョーに背後が気になりはじめるんですよね。
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○呪いの都市伝説 カシマさんを追う
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901226851/nekotabihutat-22)
ISBN:4344402626
書籍形態:文庫
著者:恩田 陸
出版社:幻冬舎
出版年月:2002/08
価格:680円
あらすじ:
九州の水郷箭納倉に住む元大学教授、三隅協一郎が教え子であった塚崎多聞を呼び寄せた。堀割に面した家にすむ老女ばかりが3人も立て続けに失踪し、その後しばらくして何事もなかったかのように家に戻ったという。箭納倉には何やら謎があるらしいが、協一郎は全ての話を一度に話そうとはしない。多聞は彼の会話のペースを乱すことなく、重ねる会話の中で得た情報を少しずつ寄せ集め、彼なりに箭納倉の謎を推理する。そして協一郎の娘藍子と新聞記者高安がこの二人に加わり事件の謎に迫るうちに、とんでもないものの存在に気付いていく。郷愁の水郷が持つノスタルジーと、その背後に感じられるもうひとつの箭納倉。彼等が気付き恐れたものこそが、月の裏側だったのか?
章の頭に登場人物の懐かしい昔の記憶に触れる描写が出てくるんですが、その部分がすごく印象的でした。登場人物の頭の中にあるノスタルジーが、文章を読んでから頭で映像化するのではなく直接映像として頭に浮かび上がる感じで。それから「月の裏側」というタイトルはいくつも意味を持つ気がします。小説で書かれている意味はもちろんだけれど、私は多聞が経験した世界も「月の裏側」だったんじゃないかなぁと思いました。最後にどちらとも解釈できる事実があって、それについていろいろ考えを巡らすのが楽しいです。明解なストーリーでさっぱりとエンディングを迎える話もそれはそれですっきりできるから良いのですが、考えさせられる小説を読むと自分の心がその小説の世界に同調していく気がして面白いですね。同調してエンディングに自然にたどり着く。うーん、同調っていうとなりきるみたいだけど、そうでなくて、その世界に入っていって先行きを眺めている感じなんです。
何も知らないで読んだ方が絶対に面白いって思うから、私もなるべくネタバレしないように書きました。なので話が抽象的で分かりにくかったらごめんなさい。文庫の裏表紙に書かれているあらすじさえも読まない方がいいです。あらすじの知識があったから、最初から何を追っているのか分かってしまいました。一体何を追っているんだろうか、何を恐れているんだろうかを全く知らないことで生まれる緊張感が恐怖や面白さを倍増させると思いました。
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○月の裏側
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344402626/nekotabihutat-22)
書籍形態:文庫
著者:恩田 陸
出版社:幻冬舎
出版年月:2002/08
価格:680円
あらすじ:
九州の水郷箭納倉に住む元大学教授、三隅協一郎が教え子であった塚崎多聞を呼び寄せた。堀割に面した家にすむ老女ばかりが3人も立て続けに失踪し、その後しばらくして何事もなかったかのように家に戻ったという。箭納倉には何やら謎があるらしいが、協一郎は全ての話を一度に話そうとはしない。多聞は彼の会話のペースを乱すことなく、重ねる会話の中で得た情報を少しずつ寄せ集め、彼なりに箭納倉の謎を推理する。そして協一郎の娘藍子と新聞記者高安がこの二人に加わり事件の謎に迫るうちに、とんでもないものの存在に気付いていく。郷愁の水郷が持つノスタルジーと、その背後に感じられるもうひとつの箭納倉。彼等が気付き恐れたものこそが、月の裏側だったのか?
章の頭に登場人物の懐かしい昔の記憶に触れる描写が出てくるんですが、その部分がすごく印象的でした。登場人物の頭の中にあるノスタルジーが、文章を読んでから頭で映像化するのではなく直接映像として頭に浮かび上がる感じで。それから「月の裏側」というタイトルはいくつも意味を持つ気がします。小説で書かれている意味はもちろんだけれど、私は多聞が経験した世界も「月の裏側」だったんじゃないかなぁと思いました。最後にどちらとも解釈できる事実があって、それについていろいろ考えを巡らすのが楽しいです。明解なストーリーでさっぱりとエンディングを迎える話もそれはそれですっきりできるから良いのですが、考えさせられる小説を読むと自分の心がその小説の世界に同調していく気がして面白いですね。同調してエンディングに自然にたどり着く。うーん、同調っていうとなりきるみたいだけど、そうでなくて、その世界に入っていって先行きを眺めている感じなんです。
何も知らないで読んだ方が絶対に面白いって思うから、私もなるべくネタバレしないように書きました。なので話が抽象的で分かりにくかったらごめんなさい。文庫の裏表紙に書かれているあらすじさえも読まない方がいいです。あらすじの知識があったから、最初から何を追っているのか分かってしまいました。一体何を追っているんだろうか、何を恐れているんだろうかを全く知らないことで生まれる緊張感が恐怖や面白さを倍増させると思いました。
----------------------------------
○月の裏側
(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344402626/nekotabihutat-22)